今年の春は、何故か、寒暖・晴雨の落ち着かない日が続いております。皆様のご体調はいかがでしょうか。今回から、何回かにわたって、もっともポピュラーな病気である高血圧についてお話します。
先ずは、高血圧と指摘されれば、自覚症状がなくとも、それは病気と思ってほしいのです。何故かと言いますと、元来、この病気は何の自覚症状もなく始まって、進行し、やがて、生活の質を低下させ、ついには致命的な合併症も招くからです。サイレント・キラー(静かな殺し屋)とさえ呼ばれています。
年齢を重ねれば、健診で高血圧を指摘される方は多くなります。しかも、直ちに、生活習慣の厳格な改善や、あるいは、医療機関を受診して、服薬も要するような方々も稀ではありません。そのような場合、当方としては、説明をつくしているつもりですが、毎年、見ていますと、中にはそれに応じて頂けない方も見受けられます。その原因は、受診時の説明不足もあると思い、ここで、じっくりお話したいと思います。今回は、高血圧という病気のお話の前に、血圧について説明します。
健康に生きるには、全身に隈なく栄養を供給することが必要です。それには全身に血液を流すことが必要で、その血液を流す力の源泉は心臓です。その時、血管と心臓に生ずる圧力が血圧です。両者は弁で仕切られていますが、弁が解放されている時、つまり、血液が押し出されている時、圧力は同じです。この時の一番高い圧力を最高血圧もしくは収縮期血圧と呼びます。一方、最低血圧(もしくは拡張期血圧)とは、弁の開く瞬間、つまり、血液の押し出され始めの時の圧力を指します。1回前のサイクルで言い換えますと、心臓から得た圧力が無くなり、血液の流れも留まった時の圧力です。この最高・最低血圧は、鼓動が毎分数百回のマウスから毎分20回の象まで、哺乳動物では人間も含めて、特に、生まれてくる時には、ほとんど同じといわれています。
こうお話しますと、私自身もそうですが、皆様も、なんと不思議で、巧妙な必然性が隠されていることかとお思いになりませんか? 次回は、さらに詳しく、お話を進めていきます。